日本児童・青少年演劇劇団協同組合
(児演協)
合同公演
お伽芝居 春若丸

 日本児童・青少年演劇劇団協同組合が製作した「お伽芝居 春若丸」は、2005年の都民芸術フェスティバル参加作品として上演された。この公演は合同公演のため、前進座、演劇集団遊玄社、劇団野ばら、演技集団朗、劇団エンゼル、劇団仲間、東京演劇アンサンブル、人形劇団歩ポロ、劇団ちろりん、横山企画、人形劇団ひとみ座、劇団トマト座、劇団新人会が参加している。
 作品は102年前のもので、歌舞伎を想定して書かれてた、大がかりで登場人物も多い作品である。102年ぶりに舞台に乗せたという意味もあるが、102年前に書かれた児童演劇の原点とも言える作品であること、波瀾万丈の筋立て、子どもたち動物たちの活躍する舞台は回り舞台を想定して書かれたとさえ思われる。

物語は
今は昔、京都堀川に住む柏井少将春方と奥方の足穂の前に春若丸という若君がいた。
春若丸が3歳の時、留守中の両親に代わり世話をしていた乳母の村菊が家中の者と、門前に来ていた幸若舞を見ていた隙に何物かにさらわれてしまう。実は幸若舞の大夫達は山賊頭岩間の婆に率いられる山賊の一味であった。責任を感じた村菊は一時は死を考えるが、戻ってきた奥方になだめられ、春若丸の行方を探す旅に出る。(序幕)

スタッフ
作 厳谷小波
構成・演出 香川良成
美術 高田一郎
照明 石島奈津子
音楽 岡田和夫・杵屋佐之忠
振付 板東鼓登治

横濱世界演劇祭2006招聘について
横濱世界演劇祭は演劇の日常化と観客と共に作りという目標を据えている。この合同公演に多くの優れた専門劇団が参加していることは喜ばしいとある。世界演劇祭には多くの劇団が国内招聘劇団として参加したい意思表明をされたが、実際には会場の条件など無制限には広げられない。この「春若丸」は13劇団が参加する合同公演であり、102年ぶりに甦えらせたという児童演劇の祖のような作品であること、歌舞伎仕立ての作品として日本の演劇文化の原点を青少年を対象にし上演することは、世界に発信する演劇祭としては好ましいことであり、希望しつつ参加できなかった多くの劇団に代表参加してもらう意味も含めて招聘することにした。